更年期障害へ戻る

ビスフォスフォネート製剤、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)、

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)、植物性エストロゲンなどについて

ビスフォスフォネート製剤 エチドロネート、アレンドネート、リセドロネートなど
骨量低下があり、更年期症状を認めない場合の骨吸収抑制作用のある、骨粗しょう症の治療薬です。
骨量増加、骨折予防に有効とされていますが、逆流性食道炎などの消化器症状が比較的よくみられます。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤) パロキセチンなど
うつ病などで投与するより少量でhot flushに効果があるといわれています。
また、更年期障害の精神神経症状が発症することと血液中のセロトニンの減少がかかわっているという説があります。
またエストロゲンは血液中のセロトニンを上昇させることもわかっています。
実際、更年期障害の精神神経症状のある方のおおよそ半数の方に効果があるといわれています。
もちろん、精神神経症状にはこの限りでなく、抗不安薬などを処方する場合もよくみられます。また睡眠障害には睡眠導入剤や睡眠剤などを適量処方することもあります。

選択的エストロゲン受容体調節薬(selective estrogen receptor modulator:SERM) ラロキシフェンなど
閉経後の骨粗しょう症治療薬として最近注目されている薬です。
心血管系に対する予防効果、心臓保護作用、乳がん発症抑制効果などが報告されており、子宮に対する安全性も認められています。
ビスフォスフォネート製剤より消化器症状がつよくでないという利点もありますが、血栓症のリスクがやや上昇すること、hot flushがやや悪化することがあるという報告もあります。

植物性エストロゲン イソフラボン、リグナンなど
植物性のエストロゲンは更年期症状を改善し、乳がん発生率を下げるといわれていますが、まだその安全な投与量がはっきりわかっていません。