性器への、ヒト乳頭腫ウィルス(Human Papillomavirus:HPV)の感染によっておこる病気で、セックスや類似行為で感染することが多いといわれています。
感染してから、イボのような状態になるまで3週間から8ヶ月くらいかかるといわれていますが、実際ほとんどいつ感染したかわからないことが多いものです。
ウィルスが皮膚や粘膜の小さな傷などに入り込んで感染するもので、もちろん、セックス以外の感染経路の可能性も十分考えられるときも少なくありません。母子感染もありうりますし、何かの器具などを介して、ということもありえます。

好発部位は女性の場合、膣口、外陰部、肛門内外、膣内、子宮口などです。
イボの形・大きさはさまざまで、尖った鶏のとさかのようなもの、にょろにょろしたものから、平たいべたっとしたものまであり、色も肌色と同じものから、褐色、黒っぽいものまであります。ほとんど視診で診断がつきますが、確定診断のためには、イボをとって、病理検査にだせば確実です。




治療法は、電気メスで焼灼する、液体窒素で凍結させる、などの方法のほか、ブレオマイシンや5−FUといった塗り薬を使用することもありますが、どの治療法も100%再発をはじめから防ぐことはできず、人によっては数週間おきに治療を繰り返さないといけないときもめずらしくはありません。
海外ではポドフィリンというお薬を使うときもありますが、現在のところ日本では発売されていません。
いったん、イボがなくなってもウィルスは短時間では消えないことも多く、3ヶ月無症状であるかの確認が必要になります。(もちろん3ヶ月以上たっても再発することはめずらしくありません。3,4人に一人は再発がみられます。
ウィルスの感染力は強く、妊娠中などにみられると、出産のときに赤ちゃんに感染することがあるので症状の程度がひどいものなら帝王切開で出産になる場合もあります。
また、HPVは、子宮頸がんの発生と関連があるということがいわれています。
実際、子宮頸がんの患者さんの95%くらいにHPVがみられますが、これはHPVに感染したひとみんなががんになるというわけではありません。もちろん、HPVと関係のない子宮頸がんも認められます。

HPVはたいへんたくさんの種類が発見されており、タイプ6,11,42,43,44型などはリスクは低いといわれていますが、16,18,31,33,35,39、45,51,52,56,58,59,68などはリスクが高いといわれています。
そして、実際、セックスの経験のある女性の6から8割くらいは一度はHPVに感染しているという報告もあります。また、HPVの90%は1年以内に自然に消失するともいわれています。(いいかえれば、それほどめずらしいウィルスではないのです。)

HPVはいったん感染しても、何年かするとほとんどが自然に消えるといわれており、また、HPVの感染から子宮頸がんが発生するまでには10年以上はかかるのではないかといわれています。
HPVに感染した=子宮頸がん ではなく、
HPVが自然に消えずにずっと感染状態が続いた場合、繰り返して感染した場合、に子宮頸がんの発生率が上昇するということです。
なので、HPVの感染がわかっても、あわてすぎる必要はありませんし、きっちり治療とその後のフォローを受け続けることによって進行した子宮頸がんなどになる状態を避けることができるのです。

HPVのタイプを決める方法は、病変部位の細胞をとって、DNAを調べるのですが、費用もかかることよりまだ多くの医療機関が実地しているわけではありません。

乳頭状

鶏のとさか状

表面が黒っぽい
平たいイボ状

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