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子宮内避妊器具(IUD)

避妊目的で子宮内にいれる小さな器具のことです。子宮内を傷つけないようにやわらかいプラスチックでできています。
異物を子宮内にいれることで、受精卵の着床を防ぐのですが、最近はこれに銅を付加したIUDというものなども登場しています。銅付加により、精子が卵管に侵入することを妨げたり、精子の活動力を低下させたり、受精卵の着床の率を低下させるといわれています。またこの銅付加タイプは銅イオンの避妊効果がプラスされるため、IUD自体の大きさを従来のものより小さくしてありますので子宮内腔があまり大きくないひとにはむいているでしょう。
排卵をとめたりホルモン剤などを使わないので、体のホルモン環境としては変化は特別ありません。
生理開始日から10日目以内に装着します。(できれば感染などのこともありますので、生理の出血が泊まってからのほうがベストです。また感染予防に装着直後は抗生剤を処方したりします)
産後であれば、6週間くらいはたってからの時期がよいでしょう。(ホルモン剤ではありませんので授乳中でも使用可能です)
いったん挿入して体質にあえば、3,4年に1回の交換でよいでしょう。
ただし、生理のときなどに、リングの位置が移動して妊娠率が上昇したり、感染の原因になることもあります。子宮の壁に穴が開く(穿孔)の可能性も稀ですが(1000分の1くらいといわれています)0ではありません。
ですので、挿入してからまず1回目の生理がきたら終了直後くらいに一度診察を受けます。
そして、その後半年おきくらいにチェックをうけられるのが必要でしょう。
出産経験があり、ある程度長期間を避妊を希望されたりする方にはむいている避妊法のひとつです。
逆に出産経験のない女性にはあまりお勧めできない避妊法でもあります。(その他、生理の量が毎回あまりに多かったり、STDなどに感染する機会が多い、子宮の中のすきまに変形があったりあるいは悪性腫瘍などの可能性のあるひともお勧めできません。

子宮内にIUDを挿入したときの図です。
薄いブルーのたれさがっているものは、IUDをとるときにとりやすいようについた細い糸です。
セックスのときに女性には異物感はありませんが、この糸が気になる男性もいらっしゃるのでその場合は短めに糸をきってやります。

いろんな種類のIUDです。糸のついていないものや魚の骨のような形、銅付加タイプは一番右です。