性器カンジダ症
カンジダ属によっておこる性器の感染症で、Candida albicans,Candida glabrataなどがよくみられます。
非常に日常的によくみられる疾患で、男性で症状がでることは比較的少ないものです。
症状は、外陰部や膣のかゆみ、おりものの増加などですが、程度により痛みや排尿障害などを伴うこともあります。
カンジダはめずらしいものではなく、無症状で膣内に存在することも多いため、単に膣内にカンジダが存在するだけでは治療を必要としない場合も多いのです。
カンジダ症になったときのおりものは、一般的に白色で酒かすやヨーグルトのようなぼろぼろしたものが多くみられます。(時には緑色などのこともありますが)
検査方法は、おりものを培養し、カンジダを確認することです。
治療法は一般的に、膣錠と塗り薬になります。
クロトリマゾール:エンペシド、硝酸ミコナゾール:フロリード、硝酸イソコナゾール:アデスタン、硝酸オキシコナゾール:オキナゾールなどが一般的です。
経口剤でフルコナゾール、イトラコナゾールなどもよほどの難治性のものや膣錠投与が不可な場合などには使用が考えられますが、一般的には性器カンジダ症にはあまり投与しません。また経口の薬は妊娠中は投与はできません。
妊娠中には、新生児への感染をさけるため(成熟児の場合は致命的な症状はほとんどおこりませんが、分娩のときに感染すると口の中に鵞口創という感染症をおこしたりすることがあります。また、未熟児など免疫力が強くない場合は全身の感染をおこすことがあります。)膣錠や塗り薬を使用します。
カンジダによる感染は、一般的には外性器や膣内にとどまり、骨盤内や全身の感染症をおこすということはほとんどありません。
ただし、非常に再発率は高く、疲労やストレス、抗生剤の投与などで再発を繰り返すことはよくみられます。
また、どんな膣炎・外陰炎でも共通ではありますが、カンジダなどの炎症症状が強いときは、可能であればコットンの下着などを着用し、石鹸の使用などを避けるべきです。