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脂質異常症(高脂血症)

上に、高脂血症の診断基準がありますが、あくまでこの診断基準は空腹時の採血によるものです。(食後あまり時間がたっていないと高い値がでます)
高脂血症は、程度により動脈硬化をおこしやすくします。脳卒中などのリスクも上昇させます。
LDLコレステロールが一番の 指標になるといわれていますが、ここに、糖尿病高血圧加齢(男性45歳以上、女性55歳以上)喫煙冠動脈疾患の家族暦低HDL血症(<40mg/dl)などが加わることによりリスクは上昇します。(HDLの低下が冠動脈疾患のリスク上昇の指標になるともいわれています。ちなみによく世間で言う善玉コレステロールはこのHDLコレステロールのことです。またLDLコレステロールは悪玉コレステロールといわれています。)
冠動脈の病気がない場合はまず生活習慣を改善することが一番といわれています。(もちろん、検査データの値にもよりますが)
なお、LDLコレステロール=総コレステロールーHDLコレステロールートリグリセリド/5 で求めます。
(トリグリセリドが400mg/dl未満の場合の計算式となります)

ここで、よくわかりにくい、コレステロールや中性脂肪などの違いについてちょっと詳しくみてみましょう。

ここでは、特に閉経と密に関連する高脂血症についてちょっと詳しくお話します。
日本では中年期以降の4人に1人が脂質異常症といわれています。非常によく聞かれる名前です。では実際はどのような状態のことをいうものなのでしょうか。

高脂血症とは、血液中のコレステロール、トリグリセリドのどちらかあるいは両方が高い状態を言います。

こうゆう素材はちょっとひかえて

こうゆうものを積極的にとりましょう

コレステロールを下げる油は不飽和脂肪酸、上げる油は飽和脂肪酸で、簡単にいえば、冷蔵庫などで食品を冷やしたときに変化しない油が不飽和脂肪酸、白く固まるものを飽和脂肪酸と考えていただければよいでしょう。あまりコレステロールを変化させない食品は、マヨネーズや和菓子、魚卵、レバー、いか・たこ・えび、貝類、鶏肉などといわれています。

食事療法
摂取カロリーを標準にします。適正と考えられるエネルギーは、
標準体重×25〜30(KCAL) 標準体重=身長(m)×身長(m)×22


たとえば、身長155センチのひとであれば、標準体重は1.55×1.55×22=52.9となります。
なので適正なエネルギーは、25×52.9=1322(KCAL)〜30×52.9=1587(KCAL)となります。

また食事内容として、
炭水化物60%前後にし、たんぱく質は可能であれば肉よりも魚、大豆などを増やします。
脂肪も同様です。
1日のコレステロール摂取量は300mg以下(たとえば卵1個でコレステロールは250〜270mgです。1日に卵を1個食べたら十分なコレステロールはもう摂取しているのです。)を目標に。
あとは食物繊維を1日25g以上とるようにします。またアルコールは25g以下(目安としては、ビール大瓶1本、日本酒1合くらい)とします。
また、ビタミンC,E,B6 B12、葉酸やポリフェノールのたくさん含まれる野菜や果物などをとるようにします。(ただし果物はとりすぎるとカロリー過剰になりますので注意が必要です)
これらの食事療法で効果が少なければ、薬剤療法となります。
薬剤療法では、検査データの値により、スタチン(HMG−COA還元酵素阻害薬:メバロチン、リポバス、リピトールなど)やレジンなどはコレステロールが高いとき、フィブラート(ベザトールSRなど)やニコチン酸(ユベラNなど)の処方となります。ただしこれらの薬で肝機能障害などがおこることがあります。

高脂血症の診断(日本動脈硬化学界による)
高コレステロール血症 総コレステロール220mg以上
高LDLコレステロール血症 LDL 140mg以上
低HDLコレステロール血症 HDL 40mg未満
高トリグリセリド血症 トリグリセリド150mg以上

また、内臓脂肪は運動によっても改善されます。そのため、適度な運動は高脂血症にも非常に有効です。
もちろん、心臓病などの病気があるひとたちは、運動のしすぎは場合により危険ですが、大きな合併する病気などがないのであれば適度な運動は脂質の改善にはよい方法です。
ウォーキングや水泳などを、無理のない程度に1日30分から1時間くらいが目標です。

薬剤の種類 LDL TC TG HDL 効果 おもな薬剤 副作用
スタチン(HMG−CoA還元酵素阻害薬) ↓↓↓ ↓↓ ↑↑ LDLをもっとも効果的に低下させる ブラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン 横紋筋融解症、消化器症状、肝障害
レジン(陰イオン交換樹脂) ↓↓ 冠動脈疾患の発症率を下げる
ジギタリス、ワルファリン、サイアザイド、スタチンなどの薬剤と併用時には服薬間隔をあける
コレスチラミン、コレスチラミド 消化器症状
フィブラート系 ↓↓↓ ↑↑↑ TGをもっとも効果的に低下させる クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート 横紋筋融解症、肝障害
ニコチン酸誘導体 ↓↓ 高TG、高コレステロール血症に有効 ニコチン酸トコフェノール、ニコモール、ニセリトール 顔面紅潮、頭痛
プロブコール ↓↓ プロブコール 心電図QT延長、消化器症状
EPA イコサペント酸エチル 出血傾向、発疹
控えたい食材 卵、レバー、バター(サラダオイルなどに変える)、ベーコンやロース・バラといったような脂肪の多い肉(脂肪の少ないものに変える)、高脂肪乳製品(低脂肪乳製品に変える)、インスタントラーメン、ポテチなど
積極的にとりたい食材 きのこ類全般、果物、サトイモ、こんにゃくなどの植物繊維(コレステロールを下げる効果)、魚や大豆製品